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新たな家族経営の形。【後編】/ hashibafarm : 橋場芳秀さん(35)

2021.03.01

writer | シガだね編集部

新たな家族経営の形。【後編】/  hashibafarm : 橋場芳秀さん(35)

今回私達が訪れたのは、
近江八幡市で、
近江牛牧場を経営する”hashibafarm” さん。

実は、今現在"近江牛料理"を
商品化中と言うこともあり、
この機会に近江牛が育つ場を
実際に観に行こうと言うことに!

前半と後半の二回に分けて
”Hashibafarm”さんの魅力をたっぷり
お届けしていきます。

体に根づく牧場の暮らし

話によると、Uターン生だとお聞きしたのですが。
そもそもなぜここを継ごうと?

橋場

元々、兄が継いでいたので僕がここを継ぐつもりは全くなくて、
地方の美大で金属加工を学んで、東京のジュエリー店で働いてたんですよ。

美大に、ジュエリーですか!

橋場

はい。
バイヤーとして海外出張とかもにも
よく行ってたので楽しかったです。笑
でも、地震をきっかけに滋賀に帰って来ましたね。
兄も早いこと親父さんとそりが合わず継ぐことをやめてしまって。

東京での子育てにも不安がありましたし、
奥さんも実家の環境を気に入ってくれていたので、
割とすんなり帰ってくることになりました。

お父さんが働く姿は、橋場さんにどのように映っていましたか?

橋場

それが当たり前と言う感じでしたね。
朝起きて、学校が休みの日は牛舎を手伝って、
お小遣いをもらって、それが僕の日常でした。

だから、僕自身がここに
戻ってくることへの抵抗もなかったですね。

継承と革新。”hashibafarm”。

あちらにある牛舎は?

これは、今建設中の新しい牛舎です。
2020年5月に”hashibafarm”という自分の会社を建てまして、
この新しい牛舎に、新たに200頭を導入予定です。

”hashibafarm” と ”橋場牧場”は違う会社なんですね!

橋場

そうなんですよ。
橋場牧場は父の個人事業で、hashibafarmが僕の会社です。
行く行くは法人として父の会社も一緒に継承する予定です。

なるほど。そういうことだったんですね!
新しい会社ではどんなことを?


橋場

橋場牛を作ると言っていたように、
新しい会社では、うちのオリジナルの餌をベースに
お客様の要望に合わせた『オーダーメイド』の牛を育てようと思っています。

おー!!すごい!!

橋場

今、もう実際に始めているんですが、最低でも牛を育てあげるまでに二年はかかります。
その期間ゆっくり話合って、将来的にと言う形で進めて行きたいですね。

橋場

子牛から育てる一貫農家にも挑戦しようと思っていますし、
短角牛も育ててみたいなって思ってます。
和牛の環境で短角牛を育てるとどうなるのか、とか。

そう言う、枠に捉われない自由な活動がしたかったので、
新しい会社を作ったんです。

そんなところ中々ないですよね!
自社ブランド「nade牛」。笑  夢があるな~…素敵です。

橋場さん自身の、今後のビジョンはありますか?

橋場

今僕が考えているのは、
若手の牧場後継者が多くなってきてるので、
今後、滋賀県全体の若手を集めた1つの組織を作りたくて。
それを近江牛のブランドとして確立させたいです。
 
自分たちの手で発展途上の近江牛を
作りあげて行きたいと思ってます!

本日は楽しいお話を、ありがとうございました!

取材を終えて。

牛と触れ合う、奥さんのさやかさん。
さやかさんが触れ合っている牛は、
他の牛に比べて特段人懐っこい。
毎日見ている橋場さんたちには、
一頭一頭の性格がわかるのだそう!さすがです。

橋場家の愛犬、『せんちゃん』
お散歩はひろ〜い牛舎。
とってもお利口さんで、橋場さんが名前を
呼ぶと全速力で戻ってきました!笑

そして、橋場牧場の牛達。
写真から見ても分かる、人懐っこさで、
カメラを向けるとすぐに近づいてきてくれるんです。

牛達の人懐っこさ、
橋場家の牛との向き合い方に
『ここで育つ近江牛はきっと美味しい。』
そんなことを漠然と感じました。

”名前をつけ、愛情をかけて育てる”
とは違って、
“育てた牛を出荷することに抵抗がある”
とも違う。
あくまで商品として向き合い、
丁寧に手を抜くことなく育てる。
それは、きっと飼い牛として
育てて行くよりも遥かに
難しいことなんじゃないでしょうか。

『食べる』、一見単純なその言葉の奥深さを
感じた貴重な1日でした。

近江牛のこれから、
"hashibafarm”の今後の取り組みを、
心より応援しています!

シガだね編集部

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新たな家族経営の形。【後編】/ hashibafarm : 橋場芳秀さん(35)

2021.03.01 writer | シガだね編集部