CATEGORY | 試食販売
2020.11.11
writer | シガだね編集部
まだまだ暑い日が続く夏の終わり。
滋賀県某所にあるnadeshicoセントラルキッチンの会議室で、
シガだねにとって第一弾となる商品
「喜楽長バスクチーズケーキ」の試食会が行われました!
作ったのは「魚丸」や「近江バルnadeshico 」など、
店舗のメニュー開発を手掛ける北山シェフ、
食べるのは滋賀を代表する日本酒「喜楽長」で知られる
喜多酒造の次期蔵元、喜多麻優子さん。
初めて見る試食会にドキドキしながら、
シガだね編集部が潜入してきました!
今日の試食会は、何回目になるんでしょう?
喜多
3〜4回目かと思います。
私はお菓子に関しては初心者なので、
全面的に矢島さんの発想を頼りにしています。
ただ、酒粕が入っているからこその味わいにしたい、
ということは相談してきました。
その中で、キーワードになるのは“温度”だったようです。
温度、ですか。
喜多
私達も酒づくりの過程で「火入れ」という加熱処理をすることで、
酵素の働きを止めて酒質を安定させるたり、香りを残したりします。
お菓子でも温度は重要だそうで、前回はその話で盛り上がりました。
例えば、温度が高すぎると香りが飛んでしまうとか?
喜多
そうですね、香りが揮発してしまうんです。
その辺りのバランスをすごく上手につくられているので、
毎回楽しみにしています。
どの味にするか選ぶというより、
楽しませてもらっている感じで申し訳ないのですが(笑)
おもしろそうですね!
喜多
これまでに10種類ぐらい試食させていただいたので、
実際はその4〜5倍ぐらい試作されてるんじゃないでしょうか。
酒粕の独特の香りがほどよくありながら、
お菓子としても成り立つバランスというのが難しい。
すごくよく考えていただいています。
北山さんからも、ひとことお願いします。
北山
今、酒粕を2種類混ぜて使ったらどうかという話になっていて、
今回初めてそれをやってみました。
ここで味の違いを見ていただいて、
じゃあ次は配合のバランスをどう変えようか、
という細かい調整に移っていきます。
なるほど!今日は使う酒粕が決まる、大事な日なんですね!
北山
はい、まだまだ先は長いかもしれないし、
ここから一気に完成に近づくかもしれない。
いずれにせよ、大事なポイントです。
北山
それでは、始めさせていただきます。
喜多
よろしくお願いします。
北山
今回は、2種類の酒粕の他に、日本酒も2種類入っています。
まず酒粕は粕汁などに使う板粕と、漬物などに使うペースト状の練り粕。
日本酒は喜楽長の辛口純米吟醸と、純米大吟醸。
まったく個性の違う日本酒と酒粕をどう合わせているかがポイントです。
北山
では、まずはAから切っていきますね。
北山
はい、どうぞ。
喜多
結構クリーミーな食感ですね。
味は、口に含んで飲み込んだ後にふわっと香る感じ。
お酒の香りがきれいに出ています。
北山
口に入れて、温度が上がるともっと香りが出てくると思います。
次はBをどうぞ。
喜多
これは、チーズ感が強いですね。塩味も結構あります。
Aに比べると少し重たいかな。
北山
重たい、なるほど。
ということは酒の香りが少し足りないってことですね。
喜多
はい、ちょっと少ない気がします。
北山
チーズが強いと。わかりました。
喜多
なんだか、利き酒より緊張します(笑)
喜多
次はC、あ、これはバランスがいいですね。
北山
う〜ん、やっぱそうなんですよねぇ。
喜多
AとBの間くらいの感じ。お酒独特の甘みも感じられます。
北山
では、次はDを。
喜多
他のよりトロッとしてますね。
香りはすごく出てますが、チーズとお酒がまだ融合しきってない感じ。
ディップして食べるのに向いているかもしれません。
北山
次はお酒と合わせて食べてみてください。
また印象が変わると思います。
喜多
あ、アルコールに反応すると甘みが立つんですね。
北山
そうなんです。
大吟醸は味が丸いので、コクがすごく出てくるんですよ。
喜多
ほんと、相乗効果ですね!甘みがすごく出てきます。
酒というより、粕の甘みでしょうね。
北山
うん、そうですね。あと、ほどよく苦味も出てきます。
喜多
味のバランスが取りやすくなるんですね。
チーズの酸味も感じやすくなりました。
配合をどう変えておられるのかはわかりませんが…
北山
そこはあまり詮索せずに(笑)
一番、喜楽長らしいなと思うのを選んでください。
喜多
うーん、どれもおいしいんですが。
Aが一番、香りがきれいに出ていますね。
特に含みの香りがよく出ていたので、チーズだけではない、
酒粕バスクチーズケーキという
ひとつのお菓子として成立していると思います。
Bはその意味で、少しチーズが強過ぎたかも。
北山
うんうん。
喜多
Cはバランスがよく取れていて、チーズ感もありながら酒粕感もある。
お子さんから大人まで、年齢を問わず
楽しんでもらえるんじゃないでしょうか。
Dは柔らかい分、香りはすごく出ているのですが、
もう少しバスクチーズケーキとしての一体感がほしいかな。
北山
Dは他に比べてお酒らしいキレがある分、
コクを感じないかもしれません。
喜多
確かに、ちょっと辛口に感じました。
もちろん甘いんですけど、お酒に例えると辛口。
北山
すごい(笑)!合ってます!
Dだけ辛口純米吟醸が入ってるんですよ。
喜多
やっぱり!よかった〜(笑)
北山
今回はチーズケーキ1個に対して配合する酒と酒粕の量は全部同じで、
入れるものの種類と割合を変えました。
喜多
なるほど。
その方が、違いがわかりやすいですもんね。
北山
そう。
今回わかったのは、練り粕ならではの芳醇さが
チーズとすごく相性がいいということです。
板粕の方が香りはいいんですが、コクがない分、チーズに負けちゃう。
辛口の酒が入ると軽さを感じますが、
チーズケーキとしてはキレが良すぎて味がバラけてしまうんですね。
喜多
総合的に見て、Aが一番かなと思います。
北山
では、これをベースに進めていきます。
次は日本酒と酒粕の量をどうするか。
もう少し増やして香りを出すのか、どうなのか。
喜多
でもあまり香りが強いと、食べやすさがなくなっちゃいますよね。
北山
そうなんです。
だから作る人、売る人、食べる人
それぞれの目線で話し合って落としどころを見つけないといけない。
ただ香っていればいいのではなく、
いかに喜楽長の日本酒を活かす商品になるかが大事なんです。
喜多
いや〜よくわかりました。参りました(笑)!
ありがとうございます。
北山
試作ができたらもう一度試食会をやって、
最終判断に持っていきたいと思います。
今日はありがとうございました!
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2020.11.11 writer | シガだね編集部